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APOCRYPHA: THE LEGEND OF BABYMETAL

APOCRYPHA

読者の皆さまへ

この度はAPOCRYPHA: THE LEGEND OF BABYMETALをご購入していただきまして誠にありがとうございます。

さてこの度、日本にお住いの多くのファンの皆様からご購入を頂きましたので、APOCRYPHAの英和翻訳ガイドを作成させていただきました。欧米で初めて漫画を読む方達と同様に、グラフィックノベル という形式に馴染みの無い読者さまもたくさんいらっしゃると思います。以下、漫画とグラフィックノベル の違いを簡単にまとめましたのでご参考にして頂けますと幸いです。

まず読み方の方向ですが、グラフィックノベルは漫画とは逆で、左から右に読まれます。以下の図をご覧ください。

次に、グラフィックノベル のストーリー展開の方法が漫画と少し異なることがあります。漫画の場合、何年もかけて何百、何千ページという連載の中でストーリーが語られることが多々ありますが、アメリカのコミック(特にグラフィックノベル )はテンポとアクションのために時間を大きく短縮して物語が描かれます。細かいコマ割りで動きを表現する漫画に対し、アメリカのグラフィックノベル はコマとコマの間で大きく時間が前へ飛ぶことがあります。漫画とは少し違った体験になるかもしれませんが、どちらもユニークで楽しいものだと思います。

形が何であれストーリーに感動していただくことが第一だと思います。私たちが感銘を受けこの本のインスピレーションとなったBABYMETALの音楽と彼らの持つ本質を捉えること、それが私たちの純粋な願いなのです。

この本を楽しんでいただけると光栄です。

Z2コミックス
ジョシュ・フランケル、シュリダー・レディより

Japanese Script

P. 1
この世には常に「正義」と「悪」が存在してきた
P. 2
まるで世界という舞台でダンスをするかのように
一歩間違えば崩壊をもたらす綱渡りの状態
平和を維持することができるのは両方に理解できる者のみ
神々たちは、優れた知性と慈愛を備えた化け神・キツネ神に責務を託した
キツネ神に命じられたのは人類を治世するという使命だった
しかし、人間というのは皮肉な生き物だった
P. 3
人間たちは自身より高等な存在に対し、不信感を抱き、
心は恐怖に支配された
彼らは壁を作るが、それは内面から崩れていく
人は他者を恐れ、自身が他者へと変わっていった
疑心で溢れる人間たちの前に、神たちはもはや自らの姿で現れることは無くなった
人前に出るということは、また彼らの脆さに捕らわれるということだ
キツネ神は悟った、この戦いは自らが戦えるものではないと
P. 4
それゆえキツネ神はMETAL RESISTANCEを創りだした
地球の正と悪の均衡を保つべく使命を託された精霊たち
その合図は風に乗って運ばれてきた
音は死の沈黙を鎮め
P. 5
極冷の炎と、
烈火の氷が相まみえる
METAL RESISTANCEは姿形や能力の違うありとあらゆる敵と戦った
気品と鋭気を兼ね備えた力をもって
P. 6
しかし死という悪は壮大で、
時に全く違った形で潜んでいる
Chapter 1
P. 9
寛永17年、日本 下野国
P. 11
この問いに、答えれる者はいるだろうか
繁栄することへの対価とは何か?
P. 12
人間の進歩には常に反作用が付きまとう
見ないフリをして
不可避の未来を後回しにしてきた。
P. 13
それは混乱と死の化学反応
P. 16
黙殺は世界の愛を消耗させる
P. 17
そして悪夢を呼び覚ます
P. 18
踏ん張るのだ、我が子よ
喪失感で己を見失うな
今は、己のことのみに集中するのだ
お主がいなくなると、共に悲しむことさえもできぬ
生きろ、娘よ
P. 19
生きろ
彼女たちのために
P. 20
「ミコ!」
「サヨ!」
「大丈夫よ、ミコ!」
P. 21
「ヨシノ!」
「助けて!」
「サヨ…」
P. 23
「サヨ!」
「私が助けるわ!」
「ミコ、ダメ!」
「他に選択肢があるっていうの?」
P. 24
「私のことはかまわずに、やるの!」
「私も生きてみせる」
「一緒に生き延びるのよ」
「さあ」
「この怪物を葬ってやるわよ」
ヨシノの力はエーテルから引き出した氷の力。その力は相手の動きを止める
P. 25
死のみがそれよりも冷たい
「サヨ、今よ!」
「やー!」
サヨの力は彼女の声から生まれる風
何十万のハンマーの威力で相手を打つ
P. 26
「みんな、今よ!」
「怪物が蘇る前に!」
ミコは太陽の力を心に備えている
その制御は難しい
静寂
そして
P. 27
谷を
転がり落ちて
力つきる
P. 28
哀れみを持つものに世界は優しくなるものだ
以前救われた者たちが、今度はそのお礼を返す時
汝らの功労は決して忘れられてはいない
奉仕するものは見返りなど望まぬ
P. 29
しかし今も昔も
この小さな助けこそが我々の宝なのだ
P. 30
「サヨ!」
「見つけてくれたのね!」
「迷っていた私を見つけたのはあなたよ」
「あー本当に怖かったわあれはなんだったのもう二度と、二度と会えないと…」
「あの声、聞いたでしょ?」
「聞いたわ」
「ミコは?」
P. 31
「ミコ!」
希望があるところに、命は必ずある
命があるところに、情は必ずある
「大丈夫?」
「大丈夫よ、ヨシノ。少し燃え尽きた感じ。この子たちのおかげでみんな無事ね」
世界が本当の姿を現したのだった
正義を目撃すると同時に
真の悪とも直面した
さあ娘たちよ
P. 32
話さなければならないことがある
Chapter 2
P. 34
エーテルの力を借り、自身の力で具現化するのだ
P. 35
この使命に必要となる力を汝らに備えた
集中するのだ
大地から力を引き出せ
P. 36
水は血として流れ
炎は魂を呼び覚ます
そして肺を満たす大気
永遠なる我らが主人より出でし七つの化身
宇宙の生命を司る永遠なもの
そして無限の死
P. 37
均衡は乱された
ゆえに初めてここに現れるのだ
「娘たちよ」
P. 38
「ふむ。鼻が利かぬ。まあよい。お前たちが目撃したものが世の大事なのだ」
「この地を歩くのは随分と久しいことだ。自らを追放して以来のこと」
「いま汝らを集めたのは闇が迫っているからだ。我らの一人が解き放たれてしまった」
「我はそれを感じた。お前たちはそれをその目で見たな」
「神様、あれはこの世のものとは思えない怪物でした」
「人でも獣でもなく、私たちの全力の攻撃を寄せ付けなかった」
「キモかったわ!」
「キモいか、その通りだ。ハゲワシ神は死を喰らう。人間たちの毒と煙によってこの世に解き放たれた」
「お前たちが我にこの体を与えたようにな」
「この体よ」
P. 39
「神様?」
「申し訳ない、娘たちよ」
「七つの化身はこの世の均衡を保っていた。しかし、ハゲワシ神の暴走により、我らの力は解き放たれ、抑制を失い、危険だ。この美しい地球には不釣り合いだ。我はお前たちと共に戦うことはできない。自分たちのみでこの戦を戦わねばならぬ」
「でも私たちはヤツの前では無力だったわ!どうやって戦えばいいの?」
「ハゲワシは戦ってるのではないのだよ、ヨシノ。ヤツは喰らうのだ。世界が滅びるまでその空腹は絶えない」
P. 40
「世紀末?ハゲワシの目的は何なの?」
「何もない。沈黙と静寂のみだ。死とはそういうものだ」
「ヤツを倒す方法は1つある。ヤツは世界を破壊するために必要なものがありそれを探しておる。お前たちがそれを見つけ出すのだ。アギマットを探すのだ」
「神様、それはなんですか?」
「アギマットには我の魂が込められている。それを破壊しなければならぬ」
P. 41
ずっと昔、METAL RESISTANCEが誕生する遥か前、寿命ある世界に興味を持ったキツネ神は、若い女の姿で人間の世界に現れた
首にはキツネ神の力を封じた首飾りであるアギマットを携えていた
P. 42
アギマットのおかげで、キツネ神はその正体を誰に気づかれることもなく、人間界で過ごすことができた
歌、踊り、食料など、人間たちの催し物を楽しんだ
P. 43
しかしキツネ神の力がアギマットに封じられたことで、世界の均衡は乱れハゲワシ神は解き放たれてしまった
ハゲワシは人間の姿をした力無きキツネ神を殺し、七つの化身の均衡を崩し永遠の自由を得ようと企んだ
P. 44
ハゲワシ神ははるか離れた場所からキツネ神を急襲した
闇の力に抑えられ神の姿に戻ることができないキツネ神。キツネ神が使えるパワーは、本来の使い方ではない方法でアギマットを使い攻撃することだった
P. 45
アギマットはハゲワシの魂を引き裂き、生命力の一部を奪った。ハゲワシを倒すことはできたものの、その代償は大きかった
P. 46
アギマットは幾千もの村人たちの魂を吸い込み、村人たちは忘却に永遠に不完全なままとじ込まれた
己が及ぼした惨事を目の当たりにしたキツネ神は、二度と人間界に関与しないことを誓った
P. 47
キツネ神はアギマットを三つの欠片に割り時間の狭間に隠した。これによってキツネとハゲワシの力は封印されたのだった。彼らの力が人類の脅威となり得ぬために
それは人類のために結ばれた誓いだった
しかし、その誓いは破られた
P. 48
「多くの命が滅びた。我は人間たちの安全を引き換えにこの世界からの自らの追放を選んだ。しかし人類はハゲワシ神を牢獄から解き放ってしまった。自らの母なる大地を無残に破壊することでヤツを目覚めさせたのだ。記憶を失ったハゲワシは己の魂だけでなく、我の魂をも融合しようとしている。アギマットを見つけてしまったら、ヤツを止めることは不可能だ」
「アギマットはどこに、神様?」
「時空の狭間に失われている」
「なら私たちが見つけ出すわ」
「時間を超えることはそう簡単ではない」
「ハゲワシができるなら、私たちにだって!」
「やつは神だ、ヨシノ。お前は違う」
P. 49
「ふむ」
「どうやら機転と犠牲が必要のようだ」
「我はお前たちと共に戦うことはできぬが、この役目に必要な力を授けることはできる。死から生が飛び出すが如く。さあ、お前たちに授けられた力で我の体を還元するのだ。精神を集中し統一させ、お互いにかぶせ合うのだ」
「我の残骸から、旅に必要な力を得るのだ」
P. 50
「我が助けられるのはここまで」
「恐れるな」
誇りと共に進むのだ
P. 51
慈悲の心が救いとなるであろう
P. 52
「失敗したらどうなるの?」
「私たちは永遠に時間の狭間に閉じ込められるわ。そして闇が世界を覆う」
「死は避けられぬものよ、ミコ。恐れる必要はない。私たちの味方でもあるのよ」
P. 53
「行くわよ」
「デス」
「デス」
「デス」
「デス」
「デス」
「デス!」
「デス!」
P. 54
「デス」
「デス」
「デス」
Chapter 3
P. 57
「落ち着いて。落ち着きなさい」
「あなたの名前は?」
「クレメント」
「クレメント。綺麗な名前ね。私はオディール。この二人はエリサとレアラよ。あなたに会えてよかったわ」
「クレメント、とてもつらいことだと思うの、だけど教えて」
P. 58
これは誰の仕業?
P. 59
「大丈夫。私たちは助けに来たの」
「あれは」
「助けられるようなものじゃなかった」
P. 60
いつものように彼らは夜に現れたの
この恐怖の時代、誰も信じることなんて出来ないわ
死の残物に悩まされた私達を助けてくれる慈悲深い使者がいたわ
彼らは放置された死体を処分し、ただ事態を黙認するという腐敗に屈してた
一方で政府の操り人形、恐怖の使者もいたわ
「自由を脅かす敵」を取り除くとか言って、法の巻物と断罪する刃を持って現れた
P. 61
私たちが探しているのはどちらの使いでもない。彼らは無差別に人を殺めたの
「煙があるところを追って」クレメントはそう伝えた。「火は良いも悪いも関係なく焼きつくすわ」
P. 62
レアラは少女の言葉に気を悪くしたが、一方で彼女の恐怖も理解している
炎を操る者として、生まれた時からずっと能力を制御しようと努力してきた
追われることには慣れていた。フランスでは、女と火というのは厄介な歴史を持っている
エリサも悩みを抱えていた
ロマニ族の子供として生まれ、誤解され迫害されてきた
彼女は世界を変える声を持っていた
しかし時にその声は破壊を招くため、彼女が選んだのは沈黙だった
彼女の苦しみは、彼女の仲間同様に、未だ誰の耳にも届かない
私たち全員は、そうやってよそ者を恐れる者たちによって世から迫害されてきた
しかし今、レジスタンスの志のもと、私たちはここにいる
授かった特殊な能力に導かれて
そして生命に結ばれて
P. 63
私たちの自己犠牲は自らの意思
無垢なものを危険にさらすことはできない
現実という悪夢から、私たちは暗黒の奥へと旅路を進める
この先にどのような恐怖が待っているかは知るすべもない
P. 64
「偉大なる神よ、我に・・・」
「煩い」
P. 65
「おまえの仕業だったのか…マルセイユやユスティニアヌスの黒死病の原因は…」
「キプリアヌス、アントニヌスもそうだ。そんなことはどうでもいい…」
「どこにある?」
「我々は聖なるものすべてを守る守護者だ。この地球の番犬であり、神のしもべ」
「お前のような悪魔に、我々が護るもののありかをそう簡単に教えると思うか?」
P. 66
「少なくとも私は逝くべきところがある。だが黄泉の国で生きるお前は…」
「永遠に地獄でさまよ…」
この戦い、以前経験している
いつかはわからない。でもだからといって安心はできない
P. 67
「神父は死んでるわ」
「オディール、これ以上の死はたくさん」
「ならここで決めましょう、リアラ、」
これで最後にする、と
P. 68
どうして私たちはこの感覚を知っているの?
どうしてヤツの動きを読めるの?同じ夢を見るかのよう
ヤツは私たちとは違う
それとも同類?
ヤツは怪物だ。
じゃあ私たちは?
同じような力を持つ私たちは一体何者?
「ワルイ…」
私たちもダークサイドの者なの?
P. 69
「ワルイ」
「ワルイ。アイデア」
「キエロ」
「ワタシノマエカラキエロ」
P. 71
「イマスグ!」
P. 72
互いの手を放すな
機敏に動けば、戦いで鍛え抜かれたこの鎧が耐えてくれる
ヤツは私達と一緒に地球のそこまで落ちていく
P. 73
彼女たちのために祈った
慈悲を願った
沈黙の中、混沌から光明が現れた
P. 74
それが何かはわからない
だがコレがヤツが追い求めているものだとわかった
P. 75
これを奴に渡すわけには行かない
「ワタセ、イマスグ」
「オディール、今そっちに… ウァー!」
痛みは鋭くそして冷たい
しかし、彼女の顔に浮かぶ痛みはそれよりも深い
P. 76
エリサ、沈黙を破るのだ
解放するのだ
「ヤメロ」
そして
終わった
Chapter 4
P. 78
ヴィクトリア、ブリティッシュコロンビア州。1862年
彼らは私達の祈りを聞きつけ遠方からやって来た
彼らのことは作り話だと思っていた
P. 79
話には聞いたことがあった
長老たちの歌として
守護神のバラードとして
P. 80
私の母が話をしてくれる
毒に侵される私たちの命について
それは悪魔が持ち込んできた
幽霊とは違った恐怖
それは蝕み
変化していく
P. 81
病に屈服し、倒れると
死を免れることはできない
何が私達を侵しているのかは一目瞭然
P. 82
私たちは彼らの助けを乞う
私たちは
またもや
囚われる身
私の母も
囚われる
P. 83
彼女を助けて
P. 84
私たちの元へ連れ戻して
P. 85
私たちの大地に連れ戻して
P. 86
悪魔の支配から解放して
P. 88
幽霊とは違い、悪魔は大地を血で染めることを望んでるわけではない
ヤツは大地を掘る奴隷
破壊する奴隷がほしいのだ
何かを探し出すために
P. 89
それはヤツの魂ほど暗黒の何か
戦えぬ者たちのために戦うのだ
Chapter 5
P. 100
バージニア州アーリントン
彼のプログラミングのパートナーが発見したらしい
ニューマンは、彼からホットチョコレートが欲しいと頼まれたそうだ
たった11分席を離れた間に
帰ったら、バーニー・トムリンは死んでいた
死亡推定時刻は16:43:25きっかり
ARPANETがクラッシュした瞬間と同時刻だ
23台のホストコンピューターはどれもフリーズ状態
最後にログインしたのが犠牲者のトムリンだった
誰もが最初に思ったのは、自殺だった
P. 101
プログラマーがプレッシャーに耐えられず壊れることは珍しいことではない
所詮、新しいバーチャル世界を作っているだけなのだが
トムリンは明るい男だったが、鬱は顔に出ないものだ
しかし彼の表情からは何か別のものが感じられた
「殺人」という言葉がよぎった。そして「スパイ」という言葉も
唯一の目撃者が死んだのだ。そしてその死体には目が無かった
ネットワークがクラッシュし、ソビエトから電話がきている
何かがおかしい
私はそう感じる
そしてそう感じているのは私だけじゃないはず
P. 102
「やっぱり、思った通り!」
「この誤差を見てエラーかと思ったの。あなたも見つけたのね、ニコール」
「でも同じことが繰り返されるのよ、トニー。何度も何度も」
「ミスよ。トムリンのミス」
「彼は絶対ミスをしなかったわ、カサンドラ。それでちょうど彼に話をしに降りて来たところだったの」
「私もよ。このエラーって全部署に影響してるはずだわ。でも…」
「なぜ私たちだけがこれに気付いてるの?」
P. 103
自殺したと思う?
違うと思うわ、ニコール
凶器はなかった。弾丸もない。銃創もないわ
確かに。そしてログを見ても犯行時刻にあの部屋に誰かが入った記録が一切ないわ
密室ってことね
でも何かが外に出ようとしていたのは明らかだわ
P. 104
私たちで全貌を暴かないとだわ
周りの同僚には残業だと言っておいたわ
私たちが夜働くのは珍しいことではないしね
女性はいつも残業。それでいて給料も男性より低い
誰も不思議になんて思わなかったわ
私たちは自由に怪しまれずに行動した。忍者のように
正義感だったのかもしれない
もしくはプライド
それか、私たちをこのコンピューターの世界に引き付けたミステリーへの探究心か
私たちは答えを知る必要があった
答えはトムリンの死にはなかった
私たちは彼のファイルを3回ずつ読み直したが、そこにもなかった
答えはその後にあった。とあるプログラムの中に
自動的に書き続けるプログラム
P. 105
プログラムを書いていたのはある石だった
半導体。石は意思を持ってしまったのだ
私たちは火に近づく蛾のようにそれに近寄った
知りたかった
トムリンのプログラムはARPANETに消え、触れるもの全てを感染していた
ウィルスのように。このようなことは今までに見たことがない
危機が現実となっている。ソビエトも心配している
ARPANETは核攻撃があった後に、軍隊が全ての航空機とミサイルをコントロールできるように作られたものだ
大統領さえスイッチは持っていない。持っているのは私たちだった
それが破損してしまった
止めなければならない
P. 106
「みんな、終わったわ」
「暴走したコードをシームレスに統合」
「これは予測値よ」
「素晴らしいわ」
トムリンと同じ運命をたどる危険がある
「やりましょう」
さあ、何が出てくるのかしら?
P. 107
この執念は何?
私たちって人類の領域を広げようとしている冒険者ではないの?
自分たちを守るために未知へ進む冒険ではないの?
P. 108
「これは?」
P. 109
「どうしたらいいの?」
P. 110
「ダメ!」
「ニコール」
「カサンドラ!」
「助けるのよ、ニコール!」
「でもどうやって!?」
「変化するのよ!」
P. 112
「見つけたわ!」
「ソースよ!」
「どうしたらいいの?」
「変化よ」
P. 114
「ダメー!」
「みんな…」
Chapter 6
P. 119

それは自身の歌を描く
この世界ほど広い鏡でもある
P. 121
大丈夫よ
私たちはあなたを見てるわ
自分たちを見るように
わかるの
その痛みがどういうものか
戦いましょう
P. 122
共に
Chapter 7
P. 127
我々は何事にも意味を求めようとする
しかし多くの場合はそれは気まぐれの結果で
夢やまぼろしだったりする
多くの者がそれらが私のせいだと考えたがる
私にもそれだけの力があればよかったのだが
私も等しくこの世界の創作物の一つにすぎない
これは経験と苦難のアポクリファなのだ
P. 128
私は良心である
それは三人の、七人の、いや十人の
1億人の
P. 129
無限の群
しかしそれが思いやりによって結ばれた時
P. 130
私たちはThe ONEとなる
(終わり)